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『シティーハンター』唯一の公式ゲームが令和に復活!名曲「Get Wild」も実装、まさに90年代育ちの教科書だ

35年の時を経て、『シティーハンター』唯一の公式ゲームが現代に蘇る!

ゲーム PS5
『シティーハンター』唯一の公式ゲームが令和に復活!名曲「Get Wild」も実装、まさに90年代育ちの教科書だ
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2月26日、ニンテンドースイッチ/PC/PS5向けに『シティーハンター』の配信が開始されました。これは1990年3月2日にサンソフトから発売された、PCエンジン向けソフトの移植版+αです。

1970年代~80年代生まれの日本人の殆どは、アニメの『シティーハンター』を視聴した経験があるのではないでしょうか。戦後日本の最も華やかで最もクレイジーだった時代のハードボイルド作品ですが、その中で絶妙なギャグやお色気が差し込まれていたことが今でも伝説的に語り継がれています。


そんな『シティーハンター』のゲームですが、ハードの問題で筆者を含めた当時の子供たちにはやや敷居の高い存在になってしまったという経緯も……。

◆80年代という時代


原作漫画『シティーハンター』の連載が週刊少年ジャンプで開始されたのは、1985年。当時の日本は、高度経済成長期は既に遠い過去の光景とはいえ、メイド・イン・ジャパンの工業製品が世界中で売れに売れ、莫大な利益が列島にもたらされていました。多くの日本人が、その利益を真正面から享受していた時代でもあります。

国際的には日米貿易摩擦問題があり、アメリカから対日貿易赤字(日本から見れば対米貿易黒字)の是正を強硬的に求められていました。こう書くとまるで現代の光景に似ていますが、当時のアメリカ大統領はハリウッド俳優だったロナルド・レーガン。日本を安全保障上不可欠のパートナーとして認識し、常に朗らかな笑顔と穏やかな口調で日本の首脳陣と接しました。

当時の中曽根康弘首相との蜜月関係は「ロン・ヤス外交」とも呼ばれ、日の出町にある中曽根首相の別荘「日の出山荘」での会談は日本史に刻まれる出来事になりました。

イギリスではマーガレット・サッチャー首相の「規制緩和」「緊縮財政」によるサッチャリズム政策が行われていましたが、これは国内に大量の失業者を発生させてしまいました。この時代のイギリスのワーキングプアとして生きるPCゲーム『Landlord's Super』という作品があり、筆者はGame*Sparkでこのゲームの記事を書いています。全く同時期の日本とはまるで別世界のような、暗く閉塞感に満ちた時代だったことが窺えます。

そして、かつては世界一の工業大国だったイギリスがこうなってしまった要因の一つに「メイド・イン・ジャパンの快進撃」がありました。車もバイクも腕時計も家電も楽器も、何から何まで日本製もしくは日本メーカー製。日本人は売れることが確実の工業製品をひたすら生産し、巨万の富を獲得していました。

80年代は、日本人にとっては「幸せな時間」だったと言えます。

◆PCエンジンは「ゲームマニア向けハード」だった

豊かで豪華だった頃の日本を舞台にした『シティーハンター』は、主人公の冴羽リョウが毎回のように派手なガンアクションを繰り広げながら、幾人もの女性に囲まれ、彼女たちに手を出そうしたらパートナーの槇村香に100tハンマーで制裁される……という「その時代だからこそ」の名作です。

1987年からはテレビでアニメ放映も始まっていますが、このアニメは90年代に入ってからも再放送されていました。当時相模原市に住んでいた筆者も、夕方の再放送で『シティーハンター』を観ていました。実在企業のコルト社の拳銃パイソンを撃ちまくるリョウの姿は、恐ろしく現実的なヒーローとして当時の子供たちの目に映りました。


そうした背景から、PCエンジンの『シティーハンター』は子供たちを熱狂させました……と書きたいところですが、実はこのソフトは原作、アニメの人気に反してかなり影の薄い存在になってしまったことは否めません。

最大の理由は、ハードがPCエンジンという点。当時としては驚異的なグラフィック性能を発揮したPCエンジンは、しかしながら最後まで「ゲームマニア向けのハード」という印象を払拭できませんでした。子供たちの間で普及していたハードといえば、任天堂のファミリーコンピュータとスーパーファミコン。このどちらかにソフトが対応していない限り、子供たちがプレイすることは困難と言わざるを得ませんでした。

1984年生まれの筆者も、実はゲーム『シティーハンター』に触れたことはありませんでした。そうです、これが初めてのゲームプレイです!

◆ファルコンや冴子も登場!

今回はニンテンドースイッチ2で『シティーハンター』をプレイしてみます。

起動早々、何とアニメのエンディングテーマ『Get Wild』が流れます。現代のハードですから、これは機械音声ではなく収録音源です。うおおぉ、これだこれ! やっぱり『シティーハンター』といえばこの曲だ! そのせいでいつまで経っても「ボタンを押してスタート」ができません。

さて、『Get Wild』を聴き終わった筆者はようやくゲームをプレイ。ゲームモードはPCエンジン版に忠実な操作感の「オリジナル」、コントロールを現代の基準に合わせた「強化」、そして何と「ハード」が用意されています。


この作品はファミコンソフト『スパルタンX』を思わせる横スクロールアクション。ですが、『シティーハンター』ですから武器はコルト・パイソンです。ステージの途中でバズーカ、レーザーガン、ミサイルランチャーといった新しい武器も入手することができます(クリアにこれらの武器は必須ではありません)。


リョウや香、そしてファルコンや野上冴子といった主要キャラもちゃんと登場します。しかもPCエンジンだけあって、グラフィックの再現度がすごい! 「アニメと全然違って似てない」などということはなく、各登場人物の特徴をよく再現しています。

◆欠点もあるけれど…


このゲームは「残機」という概念がなく、また1ステージがかなり長いという特徴があります。

その道中にある体力回復スポットは、室内のナースと更衣室。このあたりは「新宿の種馬」という異名を持つリョウちゃんですから、女性のお着替えシーンを見てモッコリ体力回復! しかも、何回行っても(なぜか)女性が着替えをしているため、激戦の連続で消耗したらいったんここに立ち寄る……という使い方ができます。


この作品はいささか「お遣い」のようなフラグ立てが多く(全く同じ道程を連続2往復するシナリオがある等)、また回復スポットを出てすぐに敵が出現するためどうしてもダメージを食らってしまう……というような理不尽な点も見受けられます。

また、上述のように1ステージは長いのですが、その代わりステージ数は僅か4面。シナリオ上の黒幕は存在しますが、リョウと戦う明確なラスボスがいないため、ややボリューム不足の感は否めません。


ただし、それを補うように実装されているのがハードモード。これは段違いの難易度設定で、「雑魚敵でも1発でやられない」「トラップの動作が複雑になる」といった違いがあります。これがとんでもなく難しい!

ともあれ、80年代の豪勢な雰囲気をまとった『シティーハンター』のイメージをよく再現していることは間違いなく、ファンであれば多少の出費(税込3,960円)を認めつつも買っておくべき! と断言することができます。


シティーハンター -Switch
¥3,236
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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