日本一ソフトウェアは、人気シリーズを抱える一方で、新規IPの創出にも意欲的なソフトメーカーです。同社が2025年7月に発表した『ほの暮しの庭』も、シリーズものではない新展開として、大きな注目を集めました。
■明らかになったホラー要素と、気配り溢れる「あんしん暮し」モード

ただし、『ほの暮しの庭』に関心が寄せられた背景に、他の作品の影響が一切なかった──とは言い切れません。愛嬌のあるキャラクターデザインや、映像で描かれた本作の雰囲気からは、同社の人気シリーズ『夜廻』を連想させます。
どことなく漂う『夜廻』らしさを感じたユーザーは数多く、SNSでも関連性を予測する意見が頻繁に飛び交いました。そうした予想はまさに正しく、シリーズの生みの親とも言える溝上侑氏が『ほの暮しの庭』の企画・ゲームデザインを手がけており、開発も『夜廻』チームが担当しています。
発表当初は、『夜廻』を連想されるようなホラー要素について、明確な提示はありませんでした。映像の一部に不穏な影が見えることはありましたが、はっきりと言及はされておらず、これまでの続報では生活シミュレーションの掘り下げが中心的だったのです。
しかし、2026年2月13日に公開された映像では、昼とは別の顔を見せる“夜の村”に言及し、そこで出会う“人ならざるもの”の存在を明確化しました。不可解な村の掟の裏側に、どんな闇が隠されているのか。『ほの暮しの庭』は、そうした秘密に直面する作品になると思われます。
一方で、掟を守りながら昼間の暮らしだけを楽しめて、怖いことが起きない「あんしん暮し」モードの搭載も明らかにしました。こちらはホラー要素が一切なく、生活シミュレーション部分だけを純粋に楽しみたい人向けのモードとなりそうです。

ホラーゲームながらホラー要素を封じるモードもある作品は、皆無ではないものの非常に珍しい作品と言えます。そこで、「あんしん暮し」モードにどれくらいの需要があるのか、読者アンケートを通じてその実態に迫ってみました。
■「ほの暮し」モードと「あんしん暮し」モードの支持率が明らかに

今回のアンケートでは、前述した「あんしん暮し」モードと、ホラー要素ありの「ほの暮し」モード、どちらで遊びたいかという質問を用意し、2択で選んでいただきました。
このアンケートを実施したところ、「怖いけど、ほの暮しモードで真実を知りたい」と答えた回答者の割合は76%。「あんしん暮しモードで平和に過ごす」と回答した人は24%になりました。
ホラー要素のあるゲームの多くは、その“恐ろしさ”をゲーム性の軸に据えている場合がほとんどです。とても勝てなさそうな“恐ろしいもの”を相手にするゲームでは、隠れて逃げ回るステルスアクションに。対抗できる手段があるゲームなら、リソース管理が重要なサバイバルアクションに。こうした形で、ゲーム性とホラー要素が結びつく場合が多々あります。
そのため、ホラー要素をなくすモードはゲームにおける軸を脅かすことになりかねず、大半のホラーゲームでは実装されていません。表現がマイルドになる設定を盛り込むケースはあるものの、「あんしん暮し」モードのように恐ろしいことが一切起きないというのは、珍しいシステムです。

また、これは憶測混じりですが、「あんしん暮し」モードでは村に潜む闇や隠された謎などが解明されない可能性があります。闇を知らずに真相へ辿り着けるとは考えにくいため、「あんしん暮し」モードではストーリーの全てを楽しめないかもしれません。
ホラー好きはもちろん、怖くても全てを知りたいという人も「ほの暮し」モードを選ぶことでしょう。しかし、村の秘密に触れられずとも怖さのない「あんしん暮し」モードで遊びたいという人は、アンケート上で見ると約4人にひとり。少数派ではありますが、割合としては決して少なくない人数です。
一般的なホラーゲームとは違い、『ほの暮しの庭』は生活シミュレーションとしての土台があるため、ホラー要素を省いてもゲーム性がしっかりと残ります。また、キャラクターデザインも可愛らしいため、「キャラクターたちに囲まれながら、平和に過ごしたい」と願う人がいてもおかしくありません。
多数派は明らかに「ほの暮し」モードを選ぶユーザーたちですが、ホラー要素のあるゲームには珍しい「あんしん暮し」モードの存在は、ともすれば予想を超えるほどの需要が見込めそうです。


「あんしん暮し」モードがどれだけユーザーの拡大に貢献するのか、製品版のプレイ状況も気になるところ。その実態が明らかになる、『ほの暮しの庭』の発売日(2026年7月30日)が待ち遠しいばかりです。











