3Dシューティングの歴史は1970年代に始まり、国内では80年代頃から注目を集め始めました。しかし、当時のゲーム機では性能的に難しい面もあり、ごく一部のタイトルに留まり、主な舞台はアーケードでした。
しかし、90年代に入ってゲーム機も進化し、プレイステーションやセガサターンで3Dを用いたゲームタイトルが増加。3Dシューティングも、徐々に存在感を増していきます。

そんな90年代に訪れた変化の先駆けとなったのが、1993年発売の『スターフォックス』です。特殊チップの搭載によってスーパーファミコンで3Dシューティングを実現し、このジャンルの知名度を押し上げる一助となりました。
30年以上も前に登場した3Dシューティングシリーズは、この2026年に最新作をリリースします。約10年の沈黙を打ち破るシリーズ最新作は、シリーズ名をそのまま背負う『Star Fox(スターフォックス)』というタイトルで登場します。

念願のシリーズ展開ながら、10年という空白期間の長さもあり、期待と不安が入り混じる人も多いはず。果たして『Star Fox』は、シリーズファンと新規ユーザーにそれぞれ受け入れてもらえる作品となるのでしょうか。
全ては蓋を開けてみるまで分かりませんが、現在公開中の体験版を通して、いちファンの視点から“期待と不安”と向き合ってみました。
■10年の沈黙を破る『スターフォックス』の復活

この令和に復活した人気シリーズはいくつもありますが、その出来映えや評価はタイトルによって様々です。特に完全新作の場合は、当時の持ち味を上手く活かすのが難しい場合もあります。
その点、今回リリースされる『Star Fox』は完全新作ではなく、1997年に登場した『スターフォックス64』をベースにしたリメイク作です。

完全新作ではないものの、シリーズでも屈指の名作をベースとしているため、手の入れ方を間違えなければ、持ち味を大きく損なう恐れは少なそうです。10年越しのシリーズ再始動としては、悪くない展開といえそうです。
その分、「大きな驚きはあるのか」という懸念や、「名作をベースにすることで、合格点の基準が自ずと上がりそう」といった不安もあります。また、グラフィックの進化に伴い、没入感を損なう可能性も否定できません。

特に、主人公の「フォックス」をはじめ、キャラクターデザインの大きな変化は、発表当時から大きな話題になりました。過去作と比べるとリアル寄りになっており、体毛の判別までつくほどです。
キャラデザも含め、様々な進化と変化を遂げた『Star Fox』は、どのような作品に仕上がっているのか。先駆けとなる『Star Fox』体験版で、その一部に触れてみました。
■「チームの存在感」もチュートリアル

あくまで体験版に触れた範囲の話となりますが、オリジナルの『スターフォックス64』と比べると、今回の『Star Fox』は様々な点で変わっていました。この変化をどう受け止めるかはファンごとに異なるかと思いますが、筆者個人は全体的に好ましく受け止めています。
体験版を開始すると、遊撃隊「スターフォックス」の初代リーダー「ジェームズ」の時代から始まり、彼らの窮地が描かれた後、フォックスがリーダーを務める時代に移ります。(詳細については、ネタバレを極力避けるため伏せておきます)

ここで、近年のゲームではすっかり恒例となったチュートリアルが始まりました。本作は、画面奥に向かって進む3Dシューティングで、基本的にフォックスが搭乗する自機を直接操作します。
そのため、チュートリアルなら自機のみ登場すれば問題ないところ、『Star Fox』のチュートリアルでは、チームメンバーの「ファルコ」「ペッピー」「スリッピー」もそれぞれ機体に乗って登場し、共にチュートリアルステージを駆け抜けます。

基本操作を学ぶだけなら、仲間がいる必要はありません。しかし、様々な操作を学んでいる間、仲間の機体が横切ったり、ライバル心の強いファルコがフォックスを煽るといったシーンも挿入されます。
こうした肉付けは、一見不要のように見えるかもしれません。しかし、これは『Star Fox』のチュートリアルであると同時に、「スターフォックス」チームのチュートリアルなのだと気づきました。

ファルコは、何かあるたびにフォックスにつっかかり、戦闘中も積極的に競い合ってきます。初代チームにもいたペッピーは、その経験から的確なアドバイスを送りますが、立場ゆえに小言も多め。そしてスリッピーは、腕前はまだ未熟なものの、場の雰囲気を明るくしてくれる名メカニックです。
刻一刻と変化する戦局に合わせ、チームメンバーとことあるたびに通信を交わす。そのやりとりは、戦闘を助けるものもあれば、物語を肉付けするエッセンスにもなります。そうした『スターフォックス』シリーズに欠かせない要素だからこそ、チュートリアルにも盛り込まれたのでしょう。

「スターフォックス」チームのチュートリアルを体験したことで、往年のファンは当時の気持ちに戻りやすくなりますし、新規ユーザーの人は「チームで挑む3Dシューティング」という認識を持つことができます。令和に生まれ変わった『スターフォックス64』として、極上の立ち上がりだと感じました。












