■「メテオ」が見せた圧巻の宇宙空間

チュートリアルで気分が良くなったところで、早速ステージに向います。体験版でプレイできるのは、ステージ1の「コーネリア」……ではなく、ステージ2の「メテオ」。てっきり「コーネリア」だと思い込んでいたので、ちょっと意表を突かれました。
しかし実際にステージが始まると、そんな疑問はすぐに忘れ去ってしまいます。進化した『Star Fox』の迫力に、目も頭も奪われてしまったためです。

個人の感じ方なので大げさな表現だと思われるかもしれませんが、“宇宙空間を描いたSTGゲームとして”の迫力が素晴らしく、序盤から迫りくる岩石群の圧倒的な質量感に、思わず息を呑んだほどです。
ゲーム的な「あるある」で言えば、レースゲームでコーナーを曲がる時、身体も傾いてしまう……という話をよく聞きますが、この「メテオ」ステージの岩石群では、横切る際に思わず身体ごと避けてしまいました。

こうした臨場感に負けていないのが、自機「アーウィン」のシャープなデザインです。おおよその形状は過去作のものを踏襲し、シルエットに大きな変化はありません。しかし、ブラッシュアップされたアーウィンは、“SFシューティングとして”の戦闘機として、存在感と格好良さをきわめて高いレベルで両立させています。
迫力満点の宇宙空間を、スタイリッシュな戦闘機で駆け抜ける。この没入感を味わえただけでも、令和に『スターフォックス』が蘇って良かったと実感させられます。
■ステージ2を体験版に採用した的確なチョイス

こうした臨場感はもちろんのこと、ゲームとしての手応えもかなり上々でした。
軽快なアーウィンの動き、敵の攻撃をはじくローリング、状況に応じて使い分けるチャージショットやブースト&ブレーキ、岩石に潜む敵機のサプライズ、軌跡を残すレーザーをかいくぐる局面など、操作性からシチュエーションまで一体となった体験が、“手応え”と“面白さ”を次々と提供してくれます。

また、ステージ構成は、オリジナル版の『スターフォックス64』を思い出させるものばかり。細かい確認まではしていませんが、原作のシチュエーションを丁寧に取り入れ、より刺激的なゲームプレイに落とし込んでいるように感じました。
臨場感のあるグラフィックへの興奮、馴染みのある展開への感慨深さ、メリハリの利いたステージ構成、良質な操作性と、様々な要因が相まって、“新しさと懐かしさ”の混然一体が、満足感のある体験を生み出します。

もちろん、チームメンバーとのやりとりも健在。窮地に陥る仲間を助けたり、ステージ最奥で待ち構えるボス戦ではヒントを教えてくれたりと、チーム戦ならではの実感も十分味わえました。
ちなみに、体験版でプレイできるステージが「メテオ」だったことに少々驚きましたが、これはおそらく、ゲーム中の行動によりルート分岐する要素をいち早く体験させたかったのだと思われます。


久々のプレイだったため、「メテオ」ステージの分岐をすっかり失念していましたが、本作では仲間たちがルート分岐のヒントを与えてくれたため、手こずることなく分岐先のステージも楽しめました。この遊び応えを味わわせるべく、「コーネリア」ではなく「メテオ」をチョイスしたのでしょう。
いい意味でベースは『スターフォックス64』なので、ステージ攻略の楽しさは盤石の完成度。期待を裏切ることなく、むしろ高めてくれる体験版でした。
■プレイして実感したたキャラデザの“納得感”
ゲームとしての体験は上々でしたが、SNSなどでも話題となった「リアル寄りのキャラデザ」についても、最後に触れさせていただきます。
実は、新たなキャラデザに関するアンケートを、以前実施しました。「変化には驚いたけど、これはこれでアリ(47.4%)」が最多数で、「今回のデザインも最高!期待度が上がった(27.6%)」と「前の方が好みだった(25%)」がほぼ横並び。どの回答も少数派というほど少なくはなく、意見が分かれる形になっていました。
感じ方は人それぞれですが、筆者も第一印象では、馴染めるかどうか不安もありました。しかし体験版のプレイ中では、キャラデザが特に気になったことはなく、没入感も妨げられていません。
単に慣れただけかもしれません。しかし、敢えて理由を考えるとすれば、「フォックスたちのデザインの変化」だけに注視したのではなく、作品全体として捉えた結果、馴染んでいたおかげとも言えそうです。

プレイ体験でまっさきに述べた通り、アーウィンの格好良さや「メテオ」ステージの没入感は、まさに圧巻でした。いずれも、SFシューティングゲームという枠の中で、リアルな迫真性を引き出しています。
キャラクターデザインの変化だけに注目すると戸惑うかもしれませんが、“アーウィンや宇宙をリアル寄りに描き、その先にいる人物たち”と捉えると、ひとつの正解だったと個人的に受け止めました。

もちろん異論もあるかと思いますが、「臨場感溢れる体験」を味わった身としては、その世界を構築する方向性も正しかったのだと、逆説的に納得するほかありません。
個人の実感に基づく部分が大きいため、万人に安心してもらえる材料とは言えませんが、共感できる説得力とパワーがあったのも確かです。

『スターフォックス64』の魅力を受け継ぐ安定感と、描画や表現を研ぎ澄ませた臨場感を兼ね備えた『Star Fox』。その全容は発売日になるまで分かりませんが、体験版のプレイを通して、不安は減り、期待が大きく増しました。まだ気になる人は、実際に体験版に触れてみるのもおすすめです。
ニンテンドースイッチ2ソフト『Star Fox』は、2026年6月25日発売予定。価格は、パッケージ版が6,480円(税込)、ダウンロード版が5,480円(税込)です。














