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【E3 2009】取材を振り返って Vol.4 土本学 「悲観のGDC、楽観のE3」

今年のインサイドのE3特集はいかがだったでしょうか? 現地レポートは一段落しましたが、ここからは現地に足を運んだ人たちがどのような眼で今年のE3を見たのか取材後記風に振り返ってもらいました。最後はインサイド編集長からお届けします。

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今年のインサイドのE3特集はいかがだったでしょうか? 現地レポートは一段落しましたが、ここからは現地に足を運んだ人たちがどのような眼で今年のE3を見たのか取材後記風に振り返ってもらいました。最後はインサイド編集長からお届けします。

E3が終了しました。一年に一度のお祭りに世界中が楽しい一週間を送ったのではないでしょうか。昨年に比べて4倍はあるだろう会場も華やいだ雰囲気が戻ってきました(それでもまだ全盛期と比べると2/3程度だということですが)。

金融危機に端を発した世界的な経済低迷はゲーム業界にも普及し、昨年末から年明けにかけては、大手パブリッシャーを中心に厳しい業績を発表し、多くのリストラがありました。E3はそんな暗い雰囲気を忘れさせる、いや麻痺されるかのような一週間でした。祭りを終えてみると山積の課題は何も解決されていない事に気づきます。

3月のゲームデベロッパーズカンファレンスでは多くの人が「どうチャレンジするか?」というテーマを語りました。岩田聡氏やピーター・モリニュー氏は開発手法の観点から、モバイルサミットではiPhoneなど新しいプラットフォームという観点から、そして様々な人がダウンロード販売のコンパクトなゲームという観点から語りました。

しかしE3で目についたのは任天堂の新しい『ゼルダの伝説』や『メトロイドM』であり、ソニーの『God of War 3』や『アンチャーテッド2』であり、マイクロソフトの『Forza Motorsport3』や『Halo:ODST』です。サードパーティも『アサシンクリード2』(ユービーアイ)、『THE BEATLES GUITER HERO』(アクティビジョン)、『ファイナルファンタジー14』(スクウェア・エニックス)と続編のオンパレードです。唯一の新機軸であったモーションコントローラーも会場で姿を見かけることはありませんでした。

苦しくも課題にチャレンジしようとする理想を見せたGDCに対して、E3は「分かっちゃいるけど・・・」という現実を見せたのかもしれません。経営不振に陥った多くのパブリッシャーは数を絞り、確実に売れるタイトルに注力する方針を打ち出しています。E3の光景はその結果でしょう。iPhoneユーザーは多いのに、全くiPhoneゲームの展示を見ないというのも印象的です。可能性を感じながらも、iPhoneでは大企業となったパブリッシャーを食わせるだけのカロリーが得られない・・・これはイノベーションのジレンマです。明るく盛り上がりながらも、展示内容は苦しくも辛い現実を感じさせるものでした。

とはいえ、物事は一朝一夕にて変わるものではありません。任天堂はまだまだゲーム人口の拡大に執念を燃やしていますし、ソニーはPSP goという大勝負に出ました。EAは『Wii Sports Active』の取り組みが成功していると発表しました。次の芽もないわけではありません。何よりもこの明るさがあればゲーム業界は数々の困難を越えていけるのではないかという見方もできます。

翌年の開催がどうなるか心配されたE3も来年6月15日〜17日の会期で開催されることが正式に決定しました。過渡期を迎えているゲーム業界ですが、この明るさでこれからも楽しいゲームを届けてくれることに期待したいと思います。

※インサイドでは7月1日よりゲームビジネス専門メディア「GameBusiness.jp」を立ち上げます。ゲーム開発、市場、人材、流通の明日を切り開くオンラインメディアをお楽しみに。
《土本学》
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