『シムシティ』や『ザ・シムズ』を手がけたゲームクリエイターのウィル・ライト氏は、開発資料をゲーム博物館International Center for the History of Electronic Games(ICHEG)に寄付すると発表しました。『ザ・シムズ』『シムシティ2000』『シムコプター』の開発時に着想などを記したノート類や、これらのタイトルをゲームメーカーにプレゼンテーションした際の資料などが提供されます。
10月16日からは750本ものファミコンゲームを遊ぶチャリティイベント「NINTENDO MARATHON」がスタート。収益は難病の子供たちを助ける慈善団体「Child's Play」に寄付されます。
海外ではゲームに関わるクリエイターやプレイヤーの社会参加が多いようです。ライト氏の開発資料は後進の参考になるでしょうし、チャリティイベントの寄付は難病の子供たちのために役立てられます。こうした行為は海外のクリエイターやプレイヤーの精神的成熟度の高さを表しているのかも知れません。
『パックマン』の父である岩谷徹氏は、自著「パックマンのゲーム学入門」の中で「無償奉仕欲求」という概念に関して述べています。人間には「生理的欲求」「安全欲求」「親和欲求」「自我欲求」「自己実現欲求」という5つの欲求がピラミッドのように積み重なっているという説(「マズローの欲求5段階説」)があります。
この説では、最も原始的で下位の「生理的欲求」(生命維持に必要な欲求)が満たされることで、「安全欲求」(生きるために安全を求める)→「親和欲求」(集団に属する)→「自我欲求」(価値ある存在と認められる)→「自己実現欲求」(自分の能力で創造的な活動を行う)・・・と上位へ、上位へと欲求が移行していきます。
岩谷氏は「自己実現欲求」をかなえた先に「無償奉仕欲求」という欲求があるといいます。「無償奉仕欲求」とは「私利私欲ではなく社会のためになにかをせねばというボランティア精神に近い欲求」。自らの欲を無にするという東洋的な思惟を含んでおり、氏はこれをゲームに活かすことで更なる可能性が生まれるのではないかと語っています。
「無償奉仕欲求」説からすると、ライト氏と「NINTENDO MARATHON」のスタッフは、ゲームを作り・遊んで「自己実現欲求」を満たすだけでなく、社会に役立つことで「無償奉仕欲求」を実現しているといえそうです。
自分が社会の一員であることを意識しつつクリエイション活動と遊びに勤しむというのはオトナの姿勢であり、精神的な成熟度の高さを示しているといっても過言ではないでしょう。
彼らは岩谷氏がいう「「無償奉仕欲求」のゲームへの導入」を既になしえているのかも知れません。ゲームとは様々な仕組みをインタラクティブに動かしていくもの。広い意味では社会に対して働きかけることもゲームの一環です(「マネーゲーム」という言葉もあります)。ライト氏と「NINTENDO MARATHON」のスタッフは、「無償奉仕欲求」を「社会」というゲームに組み込んでいるともいえるのです。
「無償奉仕欲求」はゲームの社会的地位を向上させることで、ゲーム人口の拡大に間接的に役立つのではないでしょうか。社会的に認められていない娯楽よりは、認められた娯楽の方が気軽に始められるのは間違いありません。誤解を受けることも多いゲームですが、「無償奉仕欲求」がゲームに活かされたその先には、明るい未来が待っているのかも知れません。
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