収録タイトルの中には1996年リリースの『19XX』や、2001年リリースの『プロギアの嵐』など、これまで家庭用コンソールに移植されていなかった作品も登場。難易度やゲームスピードの変更オプションやどこでもセーブ/ロード、ゲーム内での「巻き戻し」機能など、プレイヤーの腕前や目的にあわせたカスタム機能も搭載しています。

本稿では『カプコンアーケードスタジアム』のプレイレポートをお届け。収録されている作品や機能のほか、本作に込められている「ゲームセンター愛」などの雰囲気を紹介していきます。
遊べる作品は総勢32本!
本作は、無料の『カプコンアーケードスタジアム』本体(『1943~ミッドウェイ海戦~』が付属)に、それぞれ10作品が収録された3種類のDLC(税込1,500円)を購入していく形式。また、全てのゲームがセットになった「30本パック(税込4,000円)」を購入することで『魔界村』が無料特典として付属します。『魔界村』は税込200円で単品販売もされています。



『カプコンアーケードスタジアム』本体
- 『1943~ミッドウェイ海戦~』
Capcom Arcade Stadium Pack 1:すべてはここからはじまった!
- 『バルガス』
- 『ひげ丸』
- 『1942』
- 『戦場の狼』
- 『セクションZ』
- 『闘いの挽歌』
- 『アレスの翼』
- 『BIONIC COMMANDO』
- 『フォゴットンワールド』
- 『大魔界村』
Capcom Arcade Stadium Pack 2:アーケード絶頂期!
- 『ストライダー飛竜』
- 『天地を喰らう』
- 『ファイナルファイト』
- 『1941 - Counter Attack -』
- 『戦場の狼II』
- 『チキチキボーイズ』
- 『U.S. Navy』
- 『ストリートファイターII - The World Warrior -』
- 『キャプテンコマンドー』
- 『バース - OPERATION THUNDER STORM -』
Capcom Arcade Stadium Pack 3:アーケードはさらなるステージへ!
- 『天地を喰らうII - 赤壁の戦い -』
- 『ストリートファイターII' TURBO - HYPER FIGHTING -』
- 『スーパーストリートファイターIIX - Grand Master Challenge -』
- 『パワードギア - STRATEGIC VARIANT ARMOR EQUIPMENT -』
- 『サイバーボッツ - FULLMETAL MADNESS -』
- 『19XX - The War Against Destiny -』
- 『バトルサーキット』
- 『ギガウィング』
- 『1944 - The Loop Master -』
- 『プロギアの嵐』
単品販売(30本セット購入時は無料特典)
- 『魔界村』
豊富すぎる画面オプション!筐体タイプまで設定可能
ゲームを起動すると「リュウ」「ハガー」「張飛」「キャプテンコマンドー」など、カプコンのキャラクターたちが所狭しと遊んでいるイラストが登場。この時点でなんとも言えないお祭り感にワクワクしてしまいます。

ゲーム選択画面では、カプコンの"インプレス筐体”に映った数々のゲームのお出迎えを受けます。「ここは夢のゲームセンターだ!」となりつつ、早速目の前にあった『ひげ丸』(1984)を選んでゲームスタート。ゲームは方向キーでそれぞれ選択できるほか、ジャンルごとのソートも可能です。
本作が素晴らしいのは、プレイヤーにここが「ゲームセンター」だと思わせてくれること。ゲームを遊ぶ際には、Rスティックを押し込むことで筐体に「コインを投入」する必要があるのです。コインを入れることで、ゲームがデモ画面からスタート画面へと切り替わるのも嬉しい演出。また、オプション設定などをしている際のボタン操作が画面のレバーやボタンと連動しているのも最高です。

本作のゲームセンター愛のこだわりはそれだけではありません。ディスプレイオプションでは、ゲームの筐体を「ステイタス」「ミニキュート」「インプレス」「アップライト」から自由に変更可能なのです。しかも、設定した筐体は実際に形を変え、ゲーム選択時に反映されるというこだわり方。筐体の形によって表示される画面の「距離感」も異なるのも異常なほどのこだわりポイントです。



ディスプレイオプションではそのほか「走査線の表示」「ドット表現」「ブラウン管のような湾曲」など、多彩すぎる項目を設定可能。『1942』などの縦画面作品では、スイッチの表示に合わせて画面を回転することもできます。もちろん、筐体やモニター演出を切った純粋な全画面表示もできるのでご安心ください。



ゲーム開始前からテンションが上がりまくりな本作。もちろんゲーム自体も懐かしく、そして新しい要素がたくさん用意されています。

巻き戻しで"クリアできなかったゲーム"にリベンジだ
本作には「どこでもセーブ/ロード」や、ゲームの「巻き戻し」機能などが搭載されています。難易度や開始ステージ、スピードなど細かな設定が可能なオプション設定もあり、気軽にとことんゲーム遊び尽くせるようになっています。
特に素晴らしいのが「巻き戻し」機能です。ゲーム内でZRボタンを押すと一定時間ゲーム時間を戻せるため、自機がやられたときにいつでも「なかったこと」にできるのです。そして、巻き戻し機能の恩恵はそれだけではありません。


この機能を利用することで、ゲームの攻略研究に大いに役立つのです。例えば『ファイナルファイト』などのゲームでは「どれくらい上下に避ければ攻撃が当たらないか」、格ゲーでは「どの状況だとCPUがどんな技を出すのか」などを試しながらプレイ可能。シューティングゲームの「ドットで避ける」も、何度もやられて試すことで感覚がつかめるかも知れません。



オーマイゴー
もちろんオプション設定では、ゲームを難しくすることも可能。スピードアップは単純にゲーム自体が早くなるため(キャラの声も高くなる)、格ゲーなどは恐ろしい速度で敵が迫ってくることになります。『ストリートファイターII』で一気に迫ってストマッククローをかけてくるザンギエフは恐怖以外の何物でもない……。
しかし、筆者はその恐怖のザンギエフを「リュウの垂直ジャンプキックのみで倒す」という外道戦法で攻略。この戦法、おそらく20年以上前にやって以来ですが自然と使えて驚きました。このエピソード、本作がプレイヤーに「ゲームセンター時代」を思い出させる効果がある証左と言えるのではないでしょうか。


本作にはオンラインハイスコア機能などのやりこみ要素も搭載。期間限定でスコアを競う「スペシャルチャレンジ」などのイベントも用意されています。また、プレイ内容に応じてCASPOと呼ばれるポイントを獲得可能。獲得数に応じてレベルアップし、新たな画面オプションなどを入手できます。

豊富なディスプレイオプションやこだわりで、素晴らしいゲームセンター愛にあふれている本作。ただ「懐かしい」だけでなく、すべてのユーザーが楽しめるさまざまな機能や配慮を感じさせます。なお、本作には全てのゲームに分かりやすいマニュアルも用意されています。

いくつかのゲームをプレイして思うのは、巻き戻しなどを駆使してでも「ゲームをクリアするのは純粋に嬉しいし楽しい!」ということ。当時のアーケードゲームとは基本的に難易度が高いものでした。コンティニューのお金が足りず、悔しい思いをしたあの頃のゲーセン少年へ「さあ、リベンジのときは今だ!」とのメッセージを伝えたいと思います。

『カプコンアーケードスタジアム』はニンテンドースイッチ向けに配信中。本体は無料で『1943~ミッドウェイ海戦~』が付属しています。また、さまざまなゲームがセットになった3種類のDLCや単品販売の『魔界村』を購入すれば、遊べるゲームが増やせます。

UPDATE(2021/2/19 13:30):30本パックの価格を修正しました。